十一 手紙

半月後。

あの日以来に、彼の家を訪れた。

誰もいなかった。がらんとしていた。あったのは、素朴な椅子とテーブルと、その上に置かれた一通の手紙だけだ。

すっかり冷めたハーブティーを口に含む。苦みは残っていた。

私は、その褪せない手紙を文箱に戻し、素朴な椅子にゆっくりと腰を下ろした。

(了)